釜石市民ホールTETTOで開催された全国虎舞フェスティバルの様子です。
最初に釜石高校のみなさんの学習発表があったのですが、これがたくさんの考証から虎舞のルーツへ迫っていて素晴らしかったです。盛岡藩(南部藩)の虎舞は、大きく尾崎系(閉伊頼基由来)と前川系(前川善兵衛由来)に分けられる(って分類自体初めて聞いた)けど、どちらも伊豆と深い関係がある、とか。ここで紹介されていた南伊豆の「小稲の虎舞」いつか見てみたいなぁ。
続いて演舞に入って、かまいしこども園のみなさん 。元気いっぱいでかわいらしい。
お次は向川原虎舞。虎はもちろんだけど手踊りが素晴らしく格好良いです。
愛媛県松山市から、「古三津虎舞(ふるみつとらまい)」 。やはり岩手の虎舞と風貌も動きも全然違います。虎の見た目は結構リアルなんですが、頭に獅子舞っぽさがあって、歯打ちもするし、なんだか不思議な感じ。神獣のような妖気を纏っているというか。物哀しさを感じる囃子の音色も、そんな雰囲気を際立たせています。
虎狩りの勢子と虎が対峙する様子を表現しているのがこの古三津虎舞の特徴ですが、槍とかで立ち向かうと思いきや、普通に鉄砲。容赦なしです。 撃たれても立ち上がる虎さん、なんだか応援したくなります……
さて、岩手の虎に戻りまして、平田青虎会のみなさんの平田虎舞。
うん、やっぱり威勢がよくて可愛らしさもある虎さん、安心しますね。銃で撃たれたりしないし……
続いて只越虎舞さん。只越さんといえば白虎! あと、足袋がさりげなく虎柄なところも良いなぁと思いました。
お次は尾崎青友会のみなさんの尾崎町虎舞。
ステージ前方ギリギリまで近づいて客席に睨みをきかせる虎さんのサービス精神がとても良かったです。
おいらせ町から出演の日ヶ久保虎舞さん。「本州最北の虎舞」と紹介されていました(そうすると北海道にも虎舞がある??) 勢子と呼ばれる子供たちが虎を操ったり虎が観客の頭を噛み噛みするのは、青森の虎舞の特徴でしょうか。
たっぷり時間をかけて客席降臨して頭を噛んで回ってくれました。しかしこの虎さん、牙が鋭くて痛そうです……
続いてこちらも青森、長者山麓八戸虎舞さん。初見でしたが、虎を操る子どもたち(相子)の念仏剣舞の胴取みたいな衣装、花バチみたいな道具を虎に咥えさせたり、虎に乗ったりするところ(格好良すぎ!)……虎舞にこんな世界があったのかと驚きました。
というわけで、冒頭の学習発表で虎舞のルーツの探求から始まり、実際に県外団体を含めた公演を観て、虎舞の奥深さを感じた一日となりました。