北上市和賀町煤孫の慶昌寺で行われた煤孫ひな子剣舞の奉納公演の様子です。
かつては毎年8月16日にここ慶昌寺で盆の精霊供養として踊られ、これを「夏剣舞」といい、旧暦9月9日には鎮守の古館神社の例祭に奉納され「秋剣舞」といったそうです。現在もお盆の時期に踊られていますが、昨年は新型コロナの影響で中止。今年は県独自の緊急事態宣言下ではありましたが、疫病退散の願いも込めて開催を決断したそうです。
地元いわさき小学校の子供たちにより踊られている芸能ですが、今年はみちのく芸能まつりが開催見送りとなり、練習の顔合わせも一度しかできない状況だったため、坊主と跳ね胴には中学生も助っ人として入りました。開催案内のポスターによると、今年は小学3年生以上のみの参加となったようです。
華やかで可愛らしい装束やキラキラした唐団扇が目を引きますが、念仏回向が行われるなどその本質は大念仏剣舞であり、精霊供養の意味を持ちいまもその古態を残している貴重な芸能です。
一方で「奉納公演」と呼んでいるように、これはお披露目のための大切な機会でもあります。まつりやイベントが軒並み中止となった今年はなおさら……この日を心から楽しみにしていたことが集まったみなさんの様子から伝わってきました。
この日は終戦記念日ということもあり、奉納後に住職さんの呼びかけによりみんなで「平和の鐘」を撞きました。
来年はこの子たちがみちのく芸能まつりなどでも活躍する姿を観られることを期待しています。