一戸町コミュニティーセンターで開催された第43回一戸町郷土芸能祭の様子をお伝えします。
高屋敷神楽「権現舞」
毎度おなじみだと思いますが、高屋敷神楽さんの権現舞で開幕です。
下舞を舞っている左側の子は神楽が大好きで保存会に入ったという小学5年生の男の子。10月に練習を始めたばかりとのお話でしたが、そうとは思えない立派な舞でびっくり。右は中学2年の女の子、小学生の頃から長く続けていて、後半乗り権現で背中に乗る子です。
このご時世ですが権現様が会場全員を回って頭を噛んでくれました。ありがたい。
高屋敷神楽さんの見せ場といえる「乗り権現」に会場からは盛んな拍手が送られました。数年前に観たときより獅子あやしの子が成長して大きくなったので難易度が増してるのでは……このまま歩いて一周回りましたが本当に見事でした。
田中新山社神楽「鳥舞」
続いて田中新山社神楽さん。明治の神仏分離による中断の後、昭和23〜24年頃に女鹿神楽に師事して復活、しかしその後10年ほどで再び中断し、現在の保存会は平成15年に他の団体にも教わって再開したものだそうです。
今回は鳥舞でしたが、早池峰系の神楽などで見慣れているものとはだいぶ印象が違います。並んで同じ動きをするところとか、睦み合ってる感じがして面白い……
中山神楽「虎ノ口」
中山神楽さん。由来は定かではありませんが、上女鹿沢の三明院の山伏神楽を源流とし江戸後期には存在していたのではと言われています。
虎ノ口は本来、面を付けて踊る荒舞なんだそうですが、私は子どもたちが踊っているのしか観たことがないのでこのイメージです。女の子5人、みんな立派でした。
中山神楽「三本荒神」
中山神楽さんの続いての演目「三本荒神」。これは「三宝荒神」が変化した呼び方なのでしょうか(「三坊荒神」のところもありますよね)。でも唄は「三本剣はぁ〜」とか唄ってました……
刀くぐりも鮮やかでみんな格好良かったですよ。
小友神楽「盆舞」
小友神楽さん。神楽の盆舞(膳舞、折敷舞)ってあまり見る機会ないですが、ここでは得意演目としているようです。使用しているお盆が四角いのじゃなくて小さい丸盆で難しそうに見えます。
この舞手さんは7年間一度も盆を落とさなかった記録(!)が一昨年途切れたのだそうで、またここから記録に挑戦というかなりプレッシャーになる前振りがありましたが、素晴らしい盆さばきで格好良かったです。
小鳥谷七ツ踊り
小鳥谷七ツ踊りのみなさん。小鳥谷まつりの行列の露払いとしておなじみです。軽快なお囃子とともに行列踊りで入場。
やっぱりこの杵舞の放り投げた杵の高さが観ていて気持ちいいです。
それぞれの採物ごとに違った踊りも良いですが最後の花舞(礼舞)の揃った美しさも見事でした。
女鹿神楽「虎ノ口」
女鹿神楽さんの由来は諸説あるそうですが、高屋敷神楽と同じく上女鹿沢の三明院の山伏神楽を源流にもつといわれています。近年複数の演目を復活させるなどがんばっているそうで、令和元年に一戸町指定無形民俗文化財となりました。
演目は中山神楽さんと同じく「虎ノ口」を披露。こちらはみんな男子で、凛々しく格好良い舞姿でした。
女鹿神楽「三番叟」
引き続き女鹿神楽さんで三番叟。やっぱり早池峰系の神楽とはちょっと趣が違う気がします。
この倒れ込むのは高屋敷神楽さんの三番叟でも見たことあるような。源流が同じといわれるだけあって共通点がありますね。
でも最後に直面になって(面を外して)舞ったのは他の神楽の三番叟では見たことがありません……面白い特徴だと思いました。
高屋敷神楽「三本剣」
再び高屋敷神楽さんの登場。高屋敷神楽さんのときだけ神楽幕がちゃんと入れ替わるのですね……
三本剣は逆立ちで剣を足で持ったりするアクロバティックな演目ですが、前半の舞もめちゃめちゃ格好良いのです。
このミステリアスな(という表現が適しているかわかりませんが)お囃子も魅力的で大好きなので少し動画で。
根反鹿踊り
最後は根反鹿踊りさん。一戸南小の5・6年生から中学・高校・大学生、そして社会人と、若い方々中心に大人数で賑やかなステージとなりました。
ステージの上も下も使っての演舞、それもみんなキレのある見事な踊りで、お囃子も最高に格好良くて、もうどこ見たらいいかわからない状態……
というわけで一戸の芸能をたっぷり堪能した一日でした。これだけ多彩な芸能があって、全体的に若い方々の活躍が多くて、一戸の芸能アツいなと思いました。