遠野の南部神社で行われた郷土芸能共演会を観てきました。5月4日の例大祭に合わせて行われるこの公演、遠野さくらまつりの期間中でもあるわけですが、今年はすでに葉桜……でも快晴で芸能日和な一日となりました。
平倉神楽
最初は平倉神楽さんの山の神舞。平倉神楽さんは最近も拝見する機会が比較的多かったのですが、山の神は観た記憶がない……と思ったら約3年ぶりとのことでした。みなさんにぎやかな演目を好むのであまり披露の機会がなかった、とのお話でしたが、いやいや大好きですよ山の神。一番テンション上がる荒舞じゃないでしょうか。
お菓子を撒ける世の中になってきたんだなぁと、春の陽気で液状になったチョコレートを握りしめながらしみじみ……
このクズシ舞の白い毛采かっこいいですよね。岳だなあって感じます。
大槌城山虎舞
続いて大槌町より城山虎舞のみなさん。まさかここで拝見できるとは!(ちなみに遠野にも暮坪虎舞という虎舞があります)
城山虎さん、本物の虎のような荒々しさがありながら身のこなしが美しくて大好きです。
後ろ姿はしっぽがかわいい。
あまりにも激しい笹喰みに対して(?)小さい子どもが「おとなげないよーー!!」と叫んでいたのがおかしくて笑いを堪えられなかったです。
最後は拝殿前で手踊り(南部俵積み唄)。やはり虎舞のみなさんが来るとどこでもたちまち海になりますね。
上宮守神楽
続いて上宮守神楽さん。先ほどの平倉神楽さんが早池峰岳神楽系なのに対し、上宮守神楽さんは伝承経緯は明らかではありませんが遠野山伏神楽系なのだとか。幕に南部神社と書かれているので、元々この神社に奉納されていたり関係があったのでしょうか。
まず八幡舞です。
次に権現舞ですが、今回は下舞を2人で舞うというレアな構成に。なんでも、今年卒業する高校生(手前)が師匠と一緒にやりたい(恥ずかしいので?)とのことで……師弟が共に舞う姿になんだかとても感動しました。
鷹鳥屋しし踊り
最後は鷹鳥屋しし踊りさんです。遠野に来たらやっぱりシシを観ないと!
遠野のしし踊りの魅力のひとつが、シシにも劣らぬ存在感の「種ふくべ」だと思います。シシたちと一緒に踊る笑顔だったり素敵な表情も好きなのですが、鷹鳥屋の種ふくべさんは他の団体とちがって面を付けていて、お顔が見えない……にもかかわらず表情が見えてくるような、手先から足先まで神経の行き渡った踊りの表現力。すごい。
そして唄や掛け声の素晴らしさよ(動画はありませんが……YouTubeに載せてる方がいるのでぜひ観てほしいです)。会場がある種の心地よいグルーヴに包まれているように感じました。
というわけで素晴らしい共演会でした。遠野の芸能は元気があってとても好きですので、この調子で遠野まつりも開催できますように……!