3年ぶりに開催された一戸まつりに行ってきました。
一戸まつりとは8月の最終金土日の3日間行われる八坂神社・稲荷神社の二社大祭のことですが、今回お邪魔したのはその初日。明け方から降り続いていた雨は神輿渡御の時間に合わせたかのように止んでくれました。偶然なのかなんなのか、最近こういうことが多くてほんとありがたいです。
神輿渡御・山車巡行
出発地点の一戸駅前に各組の山車が続々と集まってきました。
本組の仁田四郎猪退治、イノシシのモフモフの質感が良かったです。
野田組の四ツ車大八。人形のデカさよ。でもこの持ち上げる角度、正面から見たら顔がほぼ隠れてて斬新……それがかえって臨場感を生んでいるような気もします。
山車と一緒に練り歩く根反鹿踊りさんなどの芸能団体もやって来ました。
午後2時、神輿や山車の行列が駅前を出発します。と言っても私のことなので主に芸能を追いかけることに……
露払いとして神輿を先導するのは「来田七ツ物踊り」のみなさん。一戸には他に小鳥谷七ツ踊りがあり、そちらは何度も拝見したことがあったのですが、この来田七ツ物踊りは初めてでした。同様に子どもたちが中心のようで可愛らしいです。
お練りには現在休止中（のはず）の楢山神楽さんの姿もあって、祭礼を大切にされているのだなと思いました。
根反鹿踊りのみなさんが続きます。ここからはもうほぼ根反さんの追っかけです。
根反鹿踊りの由来は諸説ありますが、一説には源義家が戦で鹿の角に松明をつけて敵陣に攻め入り勝利したことから鹿の功績を称えてその遊び戯れる様子を踊りにし、それが加賀国の山伏から根反に伝えられ、根反城主根反弥左衛門が村人に奨励し広めたたものといわれ、約400年の歴史をもつとされています。
この日は直前までの雨のため、松明を表しているように見える鹿の角も、鬼剣舞のような大口も、ビニールで覆われていました。
鹿だけでなく太刀のみなさんもほんとかっこいい。本来はササラ（棒ササラで他の踊り手たちを鼓舞するようなリズムを取る超重要な役割）もつくのですが、この日は都合により参加できなかったようです。それでも迫力の踊りは健在でした。
お囃子、特に太鼓と唄の威勢の良さも根反鹿踊りさんの特徴です。この日は不在だった副会長の女性もめちゃめちゃかっこいいので次の機会には拝見できるといいなぁ……
古き佳き町並みと鹿踊りの風景、とても好きです。
芸能行列は蒔前の三社稲荷神社（通称下天王）へ到着しました。どうやらここで奉納するみたいですが、まだ時間がありそうなので、出発地点でしか見ていなかった山車を眺めることにしました。
私は山車ぜんぜん詳しくないのですけど装飾も音頭上げも県北の山車というより盛岡っぽいなと思いました。
三社稲荷神社芸能奉納
山車も通り過ぎて静かになったところで、芸能奉納が始まりました。女鹿神楽さんの姿もあるのでもしかして権現舞とかやったのかな、見逃したかもしれません……
来田七ツ物踊りのみなさん。このあたりから少し日が差してきました。
どうやら小鳥谷七ツ踊りと同様に杵を高く投げる杵舞が見せ場のようなんですが、この日はありませんでした。人数も限られていたんだと思います。でもみんな真剣な眼差しで踊っていて立派でした。
そして根反鹿踊りさん。鹿は小学生が中心のようですがみんなキレのある踊りでした。こういう場で観るとまた格別です。
太刀は新たに(？)小学生くらいの子が加わっていましたが先輩の踊りにしっかり付いていって格好良かったです。
いつか最終日の八坂神社での奉納を観たいと思いつつなかなか都合がつかず……でもこの三社稲荷神社も良い雰囲気の場所でした。というかここで踊るとは知らず偶然拝見できて良かったです。
門付け
帰り道、来田七ツ物踊りのみなさんが門付けしているところに遭遇しました。お店の方々が束の間仕事の手を止めて子どもたちの踊りを見守る、素敵な風景です。
というわけで一戸まつり初日でした。3日間通して楽しみたい魅力的なおまつりだと思いました。今回行われなかった夜の山車運行なども含めぜひまた訪れて拝見したいです。