紫波町の「南日詰大神楽」が岩手県指定無形民俗文化財となったことを記念する公演が、赤石公民館にて行われました。
南日詰大神楽
公演が始まる前に、佛教大学総合研究所特別研究員の中嶋奈津子氏による基調講演がありましたが、たいへん勉強になりました。県指定となった経緯を詳しくお話しされていましたが、やはり決め手はその来歴を示す史料がきちんと保存されていたことなんですね。記録だいじ。
南日詰大神楽の師匠は、盛岡藩お抱えの芸能集団・七軒丁の流れをくむ六角大神楽(石鳥谷新堀)ですが、すでに廃絶し詳細不明。南日詰大神楽は、七軒丁や弟子団体が周辺の芸能に与えた影響を知る上でも貴重な存在ということです。こういった講演を聞いたうえで鑑賞すると断然解像度が上がって楽しい。
さて最初は見てのとおり獅子舞です。袴姿なのは殿様に見せるためなんだそうです。かっこいい。
これは竹の子舞。扇だけで舞うのが一般的と思いますが、竹の子(を模したござ)がだんだん伸びていくのが好き。私が知る中では山屋田植踊さんもこういう感じ。南日詰大神楽さんは紫波周辺の大神楽だけでなく田植踊の団体にもこうした祝福芸を教えていたそうです。さんさ踊りでもみられるので関係あるかもですね。
恵比寿舞。大神楽(太神楽)の恵比寿舞って初めて観た気がして新鮮。というか太神楽をじっくり観る機会が今まであまりなかったかもしれない……単独公演もなかなかないですしね。
続いて木挽舞。その名のとおり扇を大鋸に見立てた舞なんだと思いますが、二人の息がぴったりで見ていて気持ちいい。
南日詰大神楽さんの持ち味ともいえる万歳です。今回は「大峰万歳」、これは初めて観ました。相変わらず才蔵がいいキャラしていて楽しい。
平沢鹿踊
客演として同じ紫波町の平沢鹿踊さんも出演しました。
ステージ下で踊ってくれたので間近まで来て迫力がありました。紫波のシシ、太鼓の出で立ちがさんさ感たっぷりで面白い。
お得意の牝鹿子狂いは会場狭しと争うシシと一八が見応えありました。
ちっちゃいシシたちの手作り獅子頭がかわいかったです。