天台寺 春の例大祭

二戸市浄法寺町の天台寺にて5月5日に開催された例大祭の様子です。

天台寺といえば瀬戸内寂聴さんが住職を務めたことで有名ですが、例大祭は9年ぶりのため、一昨年寂聴さんが遷化されてから初めての開催ということになります。それでも今回は寂聴さんの秘書を務めていた方が講演されるということで、以前ほどではないにせよ県外から来た方もいて賑わっていました。

二戸大作太鼓

二戸大作太鼓のみなさんの演奏で幕開け。

天台寺舞楽

続いて天台寺舞楽。ここ天台寺には鎌倉〜室町時代にかけての古い舞楽面が保存されていて、県指定文化財にもなっています。このことから舞楽が存在したことが推測されますが、伝承は一切残されていなかったため、宮内庁の舞楽から指導を受けて復元(?)したのがこの天台寺舞楽とのことです。

天台寺舞楽

雅楽は録音なのですが、その音源が機材トラブルか何かでずっと途切れていたのが残念でした……舞っている方がちょっと気の毒でした。でも遠い昔この場所に伝わっていたかもしれない舞楽に思いを馳せながら拝見しました。

天台寺舞楽

続いて神輿渡御です。本堂(観音堂)の周りを神輿や神楽などの行列が練り歩きます。

この本堂のさらに上にある月山神社(天台寺はその神宮寺として建立されたともいわれています)の神楽のみなさんも歩いていました。現在は活動されていないんでしょうか、気になります。

こちらは駒ヶ嶺新山神楽のみなさん。このあと舞を奉納されます。

駒ヶ嶺新山神楽

駒ヶ嶺新山神楽さんの権現舞です。ここは二体の権現様で舞うことになっているようで、下舞から二人で舞います。

駒ヶ嶺新山神楽

以前二戸市郷土芸能祭で観たときに知ったのですが、この獅子頭は重さ15kgほどあるらしいです。一般的な重さがどれくらいか正確にはわかりませんが、これはかなり重い部類のはず。軽々操っているように見えてすごいなと思いました。

駒ヶ嶺新山神楽
駒ヶ嶺新山神楽

続いて「普勝荒神」、舞手は高校一年生の女の子。

駒ヶ嶺新山神楽

赤い吽面をつけ、素手で印を結びながら力強く舞います。

駒ヶ嶺新山神楽

そして直面になって刀の舞。岩手県北の神楽って鞘も手に持って舞うことが多い気がします。もっと北に行って青森・八戸の神楽でも見たことありますね。

駒ヶ嶺新山神楽
駒ヶ嶺新山神楽

そして扇の舞です。この普勝荒神は荒舞的な演目だと思うのですが美しい扇さばきも魅力的でした。

駒ヶ嶺新山神楽

今回は2演目の披露でしたが、駒ヶ嶺新山神楽さんは現在も十数演目を伝承しており、その中には盆舞や杵舞、そしてホロロ(女鹿神楽のホロロンズみたいな狂言的演目でしょうか?)もあるそうです。ぜひ他の演目も見てみたいですね。

駒ヶ嶺新山神楽

最後は権現様に頭を噛んでもらいました。間近で見るとほんと立派な獅子頭! お願いして持たせてもらえばよかったかな……

ちなみに帰りは浄法寺歴史民俗資料館に立ち寄りました。漆についての展示が勉強になったし、民俗コーナーには禰宜神楽なる神楽の立派な権現様(安永8年銘)や遠野物語拾遺に出てくる野田の小八の三体のオシラサマが展示されていて、小さな資料館ながら見応えがありました。

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