秋祭りシーズンに突入し、連日各地で例祭や芸能公演が行われていますが、この日は奥州市江刺梁川の松尾神社例大祭にお邪魔してきました。今回は7年ぶりに西沢目大名行列(奥州市指定無形民俗文化財)も行われました。
西沢目大名行列・芸能パレード
現地に着いた頃にはすでに大名行列が始まっており、たくさんの人々が沿道に集まっていました。
西沢目大名行列は、江戸時代の仙台藩野手崎村領主・小梁川氏の仙台往復の行列で、明治6年に松尾神社の村社昇格を祝って西沢目集落の人々によって再現され、以降松尾神社のの神事芸能として継承されています(梁川振興会作成の当日配布パンフレットより)。
秋晴れの空の下、「下にー、下に!」の掛け声で進んでいく行列、素敵でした。
弓組や鉄砲組の子どもたちが可愛らしかったり、着飾った立派なお馬がついていたり、見どころが多くてもっとじっくり眺めたかったです。
金津流梁川こども獅子躍や野手崎獅子躍のみなさんの姿も。
幟の前で褒め唄を唄う野手崎獅子躍さん。行列はだんだんと松尾神社に近づいていきます。
そしてこの先、神社へ上がる石段がかなりきつくて……重い装束や太鼓を身につけて足元も見づらい状態で登っていく獅子躍のみなさん、ほんとすごすぎます。
奉納芸能発表会
大名行列と獅子躍のみなさんが拝殿前に集結しました。壮観……
神事の後、予定より30分ほど早く芸能奉納が始まりました。
西沢目大名行列
まず西沢目大名行列のみなさんが、境内を一周するかたちで所作を披露しました。
對(毛槍)、中槍、大傘、御箱などの道具を一斉に投げ渡す所作が特徴的でかっこいいです。
この日はフル編成だったのかどうかわかりませんが、西沢目大名行列の配役は総勢72名にもなるとのこと。それぞれの衣装とか道具を見ているだけでも楽しいです。
梁川小学校獅子躍
こちらはその名のとおり、梁川小学校で踊られている獅子躍です。独特なアレンジの踊りや朗らかな子どもたちの唄声が魅力的。
梁川小学校は残念ながら今年度末で閉校のため、今後獅子躍がどうなるのかが気になるところです……
金津流梁川こども獅子躍
こちらも子どもたちですが、学校での取り組みではなく地元の獅子躍大好きな子たちが集まって本格的な指導を受けて活動している団体です。
中心メンバーは小学5年生ですが就学前から獅子躍を始めており、すでに大人に負けない迫力の踊りを見せてくれます。すごい。人生2周目とかなんじゃないだろうか……
そしてこの透き通った声としっかりした節回しの唄がほんとうに素晴らしい……心が洗われます。声変わりしていくとまた違った味わいが出てくるんでしょうね。それも含め将来が楽しみです。
金津流野手崎獅子躍
そして最後は金津流野手崎獅子躍さんの登場。
先程まで子どもたちの獅子躍をみて十分すぎるほど立派で感動していたのですが、やはり圧倒的な躍動感と美しさ。疫病その他あらゆる悪しきものを祓ってくれそうな力強い踊りです。
ところで今回、久田鹿踊さんや長京社風神楽さんなども出演されると聞いていたのですが、姿が見えず……もしかして見逃した? 次の機会に期待したいです。
とはいえ大名行列と獅子躍3団体を観ることができて大満足なのでした。みなさま、行列から石段登り、奉納と長時間お疲れさまでした。